2005年09月03日

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成熟と落ちつきという微笑みを浮かべた仮面。
キングが3枚に、クイーンが2枚。
フラッシュ・フェイス。

ボニーは語る。
手札のすばらしさを。
自分を価値ある者だと思う奴の、高邁なご高説。

時刻を打つ音を数えはしない。
だから、俺は、時計を見やった。

ジーンは、相変わらずしゃべり続けていた。
俺たちの目の前には、すばらしい道が広がっていると。
ブラ・ボー。
夢と現実のかい離を見つめてきたボニー・ジーン。
フル・ハウス。
夢想するリアリスト。

E−1を構え、俺は連写する。
耳障りなスタッカートのリズム。
ボニーの戯言。
シャッター音がかき消す。

奴の笑顔。
ファインダー越しに広がる、つくり笑い。
薄笑いの表情は、一日中、奴の頬に張りついているのだろうか。

疲労とけだいが支配する。
微熱が、地の底へと誘う。
呼吸が浅くなる。
胸突く痛み。
肩にくい込むストラップ。

もう終わりだ。
あんたは、十分、チップを積んだ。
そう、沈黙を忘れて。
だから、俺は降りる。

たとえこの世界が、あんたの説く希望に満ちたものだとしても。
常闇の中で、紫紺の糸をたぐりながら俺は息を継ぐ。

メモを閉じた。
ジーンにサヨナラを告げればよかったのだろうか。
レコーダーの記録を消去した。
けれどもボニーは、それを望みも、気にもしないだろう。

小さく鼻を鳴らすジーン。
ボニーの怜悧な視線に、俺は唇を動かさずに毒づいた。
「優しい心遣い、痛み入ります」
世事に長けた仮面を、俺はもう、とうに捨て去った。

ダッシュボックスには?
ストレートの手札。
posted by Jhon Done at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | それだけのことさ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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