2007年03月31日

「ウェル・アルルカン」

受話器を降ろした時から分かっていたさ。
“ウェル”

お前の横顔。
膝を折り、両手を広げると、天に「救い」を求める“ポーズ”。
振り向きざま、首を小さく傾げ、両肩を上げるいつもの“ポーズ”。
そして、何でもなかったかのように、笑みをみせるお前。

いつでも、どんな時でも、他人の前では、道化師のように振る舞うお前。
“ウェル”
そのじつ内心は、計りしれない“空虚”に覆われていたお前。

叫びたかったんだろう?
声を荒げたかったんだろう?
心に幾重にも積み重なった「感情」を、吐き出したかったんだろう?

「いらだち」が「憤り」が、心の奥底でからまわりしながらも、表情だにすら表さないでいるお前。
お前の“理性”
抑制された“知性”
そんなものが、重要なのかい?

口を開けた傷口から“血”がほとばしるように、「怒り」をあらわしにたって良かったんだ。
声を限りに、叫んだって良かったんだ。
涙は、苦しみを和らげるために、必要なものなんだ。
“ウェル”

影が寄り添うように、あたりが陰影を深める中、暗がりに身を埋めるお前。
小止み無く降り続ける霧雨が、窓ガラスを叩き続ける。
一点を、じっとみつめたままのお前。
“ウェル”

俺は、お前に「同情」を寄せるつもりはない。
俺は、お前に「憐れみ」をかけるつもりもない。
そんなことを望んではいないことは分かっているからだ。

ただ、いつも何かを求めていたあの時のように、瞳に輝きが戻ることを、祈りたいだけだ。
“ウェル”
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | レインドッグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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