2007年07月01日

「はさまれたままの『栞』」

あの日まで、君は、心を閉ざしていた。

言葉、言葉、言葉……。
多くの言葉。
いくつもの言葉。
飾られた言葉。
無造作に投げ出された言葉。

その中で、君は、心を閉じていた。
一言でも発すると、失いそうに。
大事なものを。

幾重もの扉に身を隠し、独り、闇の中に。
「光」を請いながらも、身を沈めていた君。
パラドクシカルな物語。

こじ開けたわけでもなかった。
ドアをノックしただけだった。
そう、叩き続けただけだった。
耳を閉ざす君に、語り続けるために。

日々の“生活”に、“澱み”に。
時に、悩みながら。
人々の瞳にうつる「翳り」に息詰まりながらも。
言葉を失いそうになりながら。

それでも、救いは、言葉だった。
言葉に、まだ“力”があると信じていた。

言葉、言葉、言葉……。
「ノブ」に手をかけた君。
『明日は君のために』
言葉、言葉、言葉……。
『明日には、きっと良いことが』

ノブを廻し、扉の隙間から、世界を覗く君。

花開く季節。
君からの「便り」。
編み上げた花の冠。

君は?
扉を開け放った。

俺は?
読みかけの「本」に、「栞」をはさんだ。

そして?
再び、開くことは、無くなった。

短い季節の物語。

今でも、「栞」は、はさまれたままに。
もう、紐解くこともないだろう。
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | グーテ・ナハト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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