2008年07月01日

「時の欠片」〜言葉を重ねた君〜

君が詩い続ける哀しみのソワール。

『月夜の晩に拾ったボタンは、どうしてそれが、捨てられようか』。
心にしまい込んだ、一つの“ボタン”。

窓枠を包むカーテンの影で、つぶやいた君の一言。
君の傍らで僕は、君の視線の先を追い、小さくなっていく一つの影をみつめていた。

唇を動かすことなく、ささやく君。

夏の終わり。
窓ガラスを通してさしこむ、夕陽の残照。

その日を心待ちにしていた、君。

君の瞳に映る、かすかな面影。
からまった記憶の糸。
はにかんだ表情に、ときおりやどる戸惑いの影。

遠い過去に捨て去った「希望」。
抱きしめ続けてきた「時の連鎖」。
未来に刻み込んだ「夢」。

……けれども?

別れを告げる鐘の音。
闇に包まれる、夕暮れの名残り。
くだかれた、時の欠片。

言葉を重ねた君。
「サヨウナラ」。
闇に消えていく小さな影を、いつまでもみつめていた君。

……いつまでも。

そして、今でも。

心にしまい込んだ、時の欠片。
捨て去ることの出来ない、一つのボタン。
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | グーテ・ナハト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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