2007年12月01日

「ニコ」

何だか疲れちまったよ。
いつまで、歌い続ければいいのか、ってな。

ヘイ、ニコ。
俺の代わりに歌ってくれよ。
「シャララララ」と。

ずいぶん、客にこびてきたさ。
歌いたくもねぇ、歌をな。

奴らだって、聴いちゃいないさ。
BGMにもなりゃしねぇ。
「スキャット」したところで、見向きもしねぇよ。

それでいて、毎夜、ステージに立たなきゃならねぇんだからな。

でも、ニコ。
お前だけだよ。
いつでも、リズムとってくれているのは。

「上等」じゃねぇって。
いくら着飾ったって、似合わねぇ奴には、似合わねぇよ。
それで「十分」だ。

さぁ、ステージが始まる時間だ。
ヘイ、ニコ。
客の入りは、どうだい?

金曜の晩にしちゃ、しけこんでいるな。
見ろよ、あのくだけた野郎ども。
フッ、それに、見てくれだけの……。

ま、いいさ。
マスター、いつもの調子で、頼むぜ。
ヘイ、ニコ。
俺が、調子を外したら、よろしくな。
ニコ。
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | レインドッグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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