2008年09月18日

「CALLING YOU」〜モロクローム〜

白黒の夢に何度も目が覚める。
唇は麻痺し、口にしめった砂が、詰まっているかのように。

篠突く雨の中でたたずむ、ブレンダ。
楡の木が幹をしなわせ、枝をふるわせている。
彼女の本当の名前は、知らない。

何度も同じ光景が。
忘れたはずの、いや忘れようとしたはずの。
……埋めたはずの過去が、よみがえってくる。

CALLING YOU
その歌声は、ささやくように……。
“聞こえる?”と繰り返す。

ジュヴェッタ・スティールの尾を引く歌声のように。
モノクロの夢の中で……。

風が吹きすさび、やがて突き刺すような雨の中に。
銀色の雨粒を滴り落としている
楡の木の下で。

彼女は、
“あなたを呼ぶ声が、聞こえる?”
と。

やがて、哀しげな笑みを向けながら、その身を緇絵に溶け込ませていく。

そして、いつも、そう、いつも……決まって、俺は。
記憶とも呼べない幻影の中で、目を覚ます。
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | ノアール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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