2006年04月18日

「珈琲&シガレット」



灰皿に眠る吸い殻を数えるのをやめた。
火を点しては消し、消しては点すとことの繰り返し。

のどの渇きは、珈琲では、いやされることがなかった。
むしろ、5杯目あたりから、胃に痛みを覚えはじめていた。

腕時計に視線を落とす。

いったい、何を聞き出したいのかい?
いったい、何が知りたいのかい?

無意味な言葉が宙を乱舞し、交わることの笑みが互いの間をすり抜けていく。

十分すぎるくらいに、時は経った。

愛想を振りまけば良かったのか。
シニカルな冷笑を浮かべれば良かったのか。

それとも?
君たちのシナリオにそって、期待通りのセリフを、そして、表情を、店内の喧噪にとけ込ませれば良かったのか。

ただ、あいにくなことに、俺は、シナリオに目を通すことも、目を向けることもなかった。

吸いかけの煙草を、灰皿に押しつぶすと、残紺の糸が渦を巻きながら、宙に消えていく。

理解と無理解の重ね合いが、螺状線を描きながら過去へと消えていくように。

十分、時は経った。
灰皿の吸い殻が、数え切れないくらいに。
posted by Jhon Done at 00:00| Comment(0) | それだけのことさ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。