2006年04月15日

「五指に余る月回に、遠く過ぎた『今日』に」



色彩(いろ)を失った風景。
「時」は姿を変える。
そして、「人」も。
全てが「セピア」色に。

常に、時代は、我々の「存在」を消し去ってきた。
堕した世界の中で「産」みだされた我々を。
「子供達」の無言の叫びを。

五指に余る月回に、遠く過ぎた「今日」に。
「美しく」、そして、「忌まわしく」もある記憶を。
陽も差さぬ「神話」へと誘う。

「闇」の中で、ひっそりと「息」を殺し、誰ひとりとして抗うこともせず、レールを引く「幼心」。
語り継がれた「ノスタルジア」は、無数の“欺瞞の”渦に飲み込まれていく。
そして、遠く過ぎた「今日」は、「永遠」の火まわりにくべられ……消えていく。

闇の中に……、
闇の中に……、
闇の中に……。

眼の“チリ”を払いのけろ。
聴く者は、“耳”を傾けろ。

代価を支払う時がきた。
幻想を形づくり、「表象」を“糊塗”してきた者達が、対価を支払うべき時が。
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2006年04月14日

「シュガーコート」



その程度の認識か。

“エサ”を貰いすぎてしまうと、“物”が見えなくなってしまうんだな。

立派な分別が、邪魔をするのかい?
ためいきをつくだけかい?
「分別」は臆病に。
「許容量の深さ」は、諦めに。
“大人”になったな。

君への“メッセージ”だ。
「告げ口をして身を守れ」
“黄金律”
「裏切ろうとしている者には、ことさら親切に」

“改革”?
笑わせないでくれよ。
「おためごかしの服芸、茶番を演じ続けろ」
“富”と“名声”の出世レースに駆り立てられ、高速輪転機から印刷される“紙幣”に心奪われる君に贈る言葉だ。

「道標」だって?
止めてくれよ。
それこそ、思考の束縛、低姿勢の“ファシズム”だ。

「周到に準備された答え」
「欺まんの質ではなく、繰り返すこと」
それが君の、そして、君達のやり方だろ。

云わせてもらうぜ。
”厚顔無恥の一般概論”
各論は?

根が腐っているとどうなる?
そろそろ、“ツケ”がたまってきたんじゃないのかい?

なぁ、眠れるかい?
「現状維持」と「心地よいぬくもり」を、もっとも愛している君が、睡眠不足に陥っているんじゃないかと思ってね。

もう一度、聞くよ。

枕を高くして、眠れるかい?
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2006年04月13日

「バックレディ」


お願いだ、教えて欲しい。
バックレディ。

降りしきる雨の中で、傘も差さずに。
裏通りで唄うバックレディ。

一輪の花びらを帽子に飾り、着古したダークグレーのロングコートに身を包みながら。

Jesus' blood never failed me yet

と誰にもかえりみられることなく唄う、あんたのことだ。

 "It's one thing I know

胸がつまりそうになっちまうんだ。
あんたを見る度、心臓が高鳴り、涙を乾かすのに。

“それは私が知っている「一つ」のこと”

「奇異」な眼で見ていく奴が多い中で、唄い続けるあんた。
バックレディ。

never failed me yet

あんたの哀しみ、喜びを、教えてくれないか。

裏通りで、途方にくれちまった……俺のために。
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2006年04月12日

「長崎の友人へ」



一人は、「エマオ」への道を歩み続けていた。
一人は、「テアトル」への階段を昇り続けていた。

そして?

一人は、右手に「愛」を、左手に「希望」を、言葉には「真実」を携えていた。
2000年前に生きていた、ある「男」のことを、今に、伝えるために。 

一人は、「スポットライト」の世界から身を引いていた。
螺旋状の階段の踊り場で立ち止まり、吹き抜ける「風」に身を凍らせながら。
果てしなく続く連鎖を、断ち切った。

一人は、「牧師」となった。
十字架から降ろされた「キリスト」の「愛」を。
灯火をかざすために。

一人は、「生活人」として、市井に生きている。
「非日常」と「日常」の空間を行き交うことも無く、 不毛の地に「ライラック」を咲かせるために。

ある時期に、ある場所で、交錯し、ともに同じ「時」を過ごした二人の友人。

過ぎた歳月は、三人の歩みを少しずつ変えさせていた。
だが、それは、ただ、それだけのことだった。

一人は、この暗い世に、「灯り」を。
一人は、人々の生活に、「彩り」を。

そして?
そして、俺は……。

言えることは、三人、それぞれの「生き方」が続いていく、ということだ。

「物語」は続いていく。

互いに、どこかで交錯しあいながら。
これまでと同じように、そして、これからも。

そう、これからも。


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2006年04月11日

「せめて、今夜だけは」


あの日、君は……。

君は望んでいないだろう。
けれども、今夜だけは。

自尊心も尊厳も奪われ、無防備なまでにたたずんでいた君。
心の中の何かが壊れかけていた。
それが痛むとき、君は、騒いでみせた。
明るく振る舞うことで、さまざまな感情を落とし戸の底に埋め込みながら。

確かに、誰も、他人の荷物の重さなんか分かるはずはない。
それだけに、君の痛々しさが。

涙の交じった笑い声。
胸の奥にくぐもる夢やあこがれ。
哀しみや痛み。
まるで、途方にくれた小さな雛のようだった。

あの日、君は、チップを換金すると、いとも簡単に、ゲームから降りた。
破れた夢の重さに耐えかねた、あの日。
深い孤独の影に身を投じた、あの日。 
しばられた過去に、永遠の別れをつげた、あの日。

独り、壁に向かって、「さよなら」と、
日々の生活という織物を引き裂いた。

あの日、俺は、全てにまいった。
受話器から聞こえてくる、君のささやき。

「世の中って、そんなにひどいところじゃないよね」
沈黙の世界に残された最後の言葉。

逝った者が心にのしかかるのは、目の前からいなくなったことではない。
言わなかったことがあるからだ。

「ひどいもんじゃないって?」
「世の中はひどいところだ」
「身も心もすり切れる夜を過ごしてきたさ。腰掛ける椅子さえ無くしたこともある」
「けれども、このクソったれの人生で学んだことは、いくらでも『道』は、あるってことだ」。

喪失感に襲われながら、確実に、小さくなっていくこの世界に。
俺は、歩き続けるだけだ。
これからも。

人は来て、そして去っていく。
そこに、何か、意味があったとしても。

だから、今夜だけは……。

夜が明けるまで、独り、麻痺した酔いに包まれながら、
頬につたわる「感情」の結露に浸っていたいんだ。

君が、望んではいないことは分かっているが。
せめて、今夜だけは。

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2006年04月10日

「フォーリスト」



もう“森”に帰ることはできない。

“プロローグ”
あの“夜”の夢のようには。

始まりは、チャイコフスキーの“セレナーデ”

〜パ・ド・ブレ〜

“小さな妖精”

“歌う”ように歩く君。

“薔薇”色に彩られた部屋。

“安堵”の笑みを浮かべながら眠る君。

ひととききらめいた“夢”

君は“春”を待ち、俺は“秋”を待っていた。

そして、季節は……夏の森の……匂い。


菩提樹
柏の木
栃の木
樅……?

“小さい頃の想い出”
はしばみ、とねりこ、すずかけ……。
『夏の朝霧の匂い……』

“霧”……夏の名残の滴り。
行く風を惜しみ、来るべき季節……。

……迎えるはずだった季節。

“エピローグ”

闇に沈む“森”

終わりは、ワーグナーの“ローエングリン”。

もう、あの“森”に、帰ることはできない。
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2006年04月09日

「ブルーベル」




過去の森。
さまよい続ける君。
“ブルーベル”

鳴り響く電話のベル。
か細い声。

飲みさしのワイングラス。
右手には、睡眠薬。
そして……傷跡。

虚ろな瞳。

「白、それとも、黒?」

涙の交じった笑み。

君が求めるもの、求めたもの。

かすかな、すれ違い。
不確かな将来。

99の“偽り”

1つの“真実”


奈落に続く“落とし戸”。
扉は開いたまま。
いつでも……君は。

伝わぬ言葉。
耳を閉ざす君。
そして……。

突き刺さる“棘”。
「痛み」
癒されぬ傷口。

月影もささぬ深い森の中で。
身を潜め、ひっそりと咲く「ブルーベル」。
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2006年04月08日

「閉じたままの物語」


甘くセンチメンタルな過去への郷愁。

それは……。
エリオットが、もっとも残酷な「月」だと称した「4月」の物語。

始まりは、パンフルートの奏でるメロディ。
不毛の地に“ライラック”の芽が開く。

駿雨の中を、飛び回る“花咲ける妖精”。
木々の葉に憩うその横顔は、甘やかで美しく。
そして……傷つきやすく。

“失われた時を求めて”

“ユリシーズの瞳”

一瞬にして花の季節を告げる。
冷たい風を、やわらかな陽射しへと。
“光の輪”の中で踊る。

やがて物語は……燃えいずる季節へ。
“羽”を終えた“妖精”。

エリオットが称した「月」に。
終わりの“鐘の音”も聞かずに。
季節の風に、その身を溶け込ませていった。

やがて……。
物語は、静かに、幕を降ろした。

全てが……そう、全てを、「幻想」と記された“小箱”へと。

今でも、紡がれた物語は……。

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2006年04月07日

「スノッブ」



「君は、苦悩を気取ったトラジディー、そのものだね」。

トレ・ビアン。

いいや、「トラジコメディー」さ。
しょせん、ポーズだ。
三文オペラにもなりはしない。

ここは、君たちの安寧の世界だ。
十分に、安住すればいいさ。

俺は、「破滅」の坂道を転げ落ちるように、「奈落」へと突き進むように。
それでいて、「救い」を求めてきた。

その姿は、まるで、いたずらに山頂まで石を運ぶシーシュポスだ。

積み上げては崩し、崩しては積み上げる。

「幸福」という名の存在に絶えかねると、それを、いとも簡単に壊す。
その繰り返しだ。

人生よ、俺は、お前が愛おしい。
だが、狂おしいまでに、お前を愛することはないだろう。

人は、どこまで遡ることができる?
人は、どこまで進むことができる?

これまでの歩数を数えることなんかできはしない。
未来の夢を奏でることなんか、できはしない。

いや、数えたくも、そして、奏でたくもないんだ。

どうして、埋めてきた落とし戸の扉を開け放たなければならないんだい?
どうして、腐食剤のようにかじりだされた命に目を向けなければならないんだい?

いいや、やめよう。

そう、ご指摘の通り、裏をかえせば、茶番を演じるスノッブさ。
屋根裏部屋のエセ・インテリ。エセ紳士だ。

君たち以上の、俗物さ。
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2006年04月06日

「ある娼婦のララバイ」



窓枠を通し、樹木の間から青白い光を放つ満月があらわれていた。

疲れていた。
全てに。

かたわらでは、女が、死んだように眠っていた。
横顔が、蒼光の月に照らされて。

女の寝息に耳を澄ませながら、俺は、煙草に火を点けた。
一息、宙に吐くと、月明かりに紫煙が立ち上る。

“出口”の見えぬ迷路の中で、彷徨っていた。
月回で数えるならば、25の時。

ベッドから身を起こし、月明かりの届かぬ先をみつめていた。

やがて、気配を感じた女は目を覚まし、左肩に身を寄せてきた。

女は、細長い指で、俺の口元から煙草を引き寄せ、一息吸った。

むせいだ女は、一瞬、笑みを浮かべると、月明かりに映る俺の顔を覗いた。

女の瞳に浮かんだのは、石のような冷たさを伴った俺の瞳だった。

女の表情が凍りつくように変わっていくのが分かった。

俺は、煙草を取り上げ、視線を外すと、再び、紫紺の糸を立ち上らせた。

女は、売っていた。身を。
住むところのなかった俺は、ころがりこんだ。

打算も、押し売りも、あの男女関係にありがちな、妙にいやらしい駆け引きもなかった。

視線を返し、俺は、笑みを浮かべた。

瞳に雫を浮かべ、じっと俺の影をみつめていた女は、安心したのか、身をベッドに沈めた。

「明日、晴れたらいいね」
哀しいくらいに、“欲”の無い女だった。

俺は、吸い殻入れに煙草を消し去ると、ベッドに身を横たえた。

「ホントに」
女の安堵のため息が、消え入るように影に吸い込まれていった。

いつしか、月の光は、まどろみへと変わっていた。

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